パーキンソン病初心者のブログ

50代女性。病気知らずの元気印だったのになんで突然パーキンソン⁈

これは事実?

娘は初めての子を産んで、産休中だった。

わたしにとっては初孫。

お座りが出来るようになって…

声出して笑うようになって…

見るたびに成長していくかわいい子。


その子を抱いた娘は言った。


じゃぁこの子の成人式、見られないって事?



私は何も言えなかった。

ああ、そうなんだ。

15年ってそんなに短いんだ…



イヤだと思った。

ふてくされてる場合ではない。

先生が言った事、本当にそう言う意味なのか、調べなくては。

そして病気について調べ始めた。


主人もそう思ったのか、ネットで色々調べていた。


これ聞きに行こう。


そう言って差し出された資料は、隣町にあるリハビリ病院の先生が行うパーキンソン病治療についての講演会の案内だった。


その病院では、入院してリハビリしているパーキンソン病患者がたくさん居るようで、会場となる会議室には、その患者さん達も何人か来ていた。

看護師さんに付き添われ、歩行器を押しながら来る人、椅子に座ろうとしてよろける人、

落とした資料を拾おうとしても手が震えて拾えない人…


私は元々介護職なので、思わず介助の手が出そうになる。あっ、と思うと思わず腰が浮く。

そして実感する。

私は介助してもらう側ではなく、介助する側の人間だ。そうでありたいのに。


でも私もいつかこんなふうになるのか…

悲しくなって目を逸らした。



その日は、薬物治療についての話だった。

薬にも色々なタイプがあって、治療のアプローチも色々あるらしい。

それぞれの利点と副作用についても。


そこで知った。

私が今飲んでいる薬には恐ろしい副作用があると言う事。


突発性睡眠。


予兆なく眠り込んでしまうので、車の運転など危険な行為はさせないようにとあった。


ショックだった。

車に乗れなかったら買い物も仕事も行けない。


先生は薬を出す時、副作用について何も言わなかった。

自宅で処方された薬の説明書を見たら、赤字でしっかり書いてある。


私は次の予約まで待つ事なく先生に会いに行った。

なんで私が?

我にかえると、診察は続いていた。


先生は言った。

パーキンソン病は、最初の数年は薬が良く効いて、いつも通りの生活が出来るでしょう。 


思わず聞いた。

先生、薬が効くのは何年くらいですか?


人によります。

一年くらいの人もいれば、5年くらいの人もいます。薬が効かなくなったら若いから手術も出来ますよ。

ま、パーキンソン病は治らないけどね。動きは良くなります。


どんな手術ですか?


脳に電極を刺して、刺激を与える手術です。若い人じゃないと難しいんだけどね。

60才くらいまでかな。 

3年くらいはもちますよ。

今まで〇〇県では出来なかったんだけどね。

私が立ち上げたので今は〇〇病院で出来るんですよ。


ニコニコして言う先生に、腹が立ってきた。

自慢してるのか、丁度いい年頃の患者が来たと喜んでるのかと思った。


薬は、ドバコール半錠を朝晩と

ニュープロパッチという貼り薬が出た。


先生の言葉は、どの言葉も受け入れられなかった。腹が立って仕方なかった。


同じこと言うにしても言い方ってものがあるんじゃない?


帰り道、黙ってる主人に半ば当たり散らした。

なんだか悔しくて。

病気なんて今までした事なかった。

入院も出産の時だけ。


どうして私が?

パーキンソン病なんて、親戚にもいないのに。

どうしてそんな病気になるの?

なにがいけなかったの?

忙しい仕事?

夜更かし?

ストレス?


まだお父さんもお母さんもいる。

主人のお義母さんもいる。

今はまだ元気だけど、みんな80代。

いつかは介護が必要になる。

その時に面倒見るのは私しかいないのに。


主人だって私より5才も上。

主人の介護も私がするものと思ってた。


みーんな見送ってから、のんびり最後にいくつもりだった。

世間のおばあさん達がそうであるように。

なのにあと15年?

もしかして私が主人に面倒見てもらう事になるの? 

イヤだ。そんなの。


ウチに帰ると心配していた娘からラインが入っていた。


どうだった?と聞く娘に


パーキンソンだった。

あと15年だって!


ぶつけるように送ってしまった。


ウソ、すぐ行く!


隣町から飛んできた娘の目が真っ赤だった。


ハッとした。


私は自分の事しか考えてなかった。


ごめんなさい。


ごめんなさい。

余命?

同じ病気の方が多いこのサイトで、この事を書こうか書くまいか迷ってました。

でもコレが最初に私が感じた事なのです。

ご不快に感じる方も居られる事と思います。

申し訳ありません。




主人と一緒に診察室へ。

手足の動き、歩行、姿勢反射のテスト

その日は薬が効いていたのか肩を押されても倒れなかった。

そして問診。


薬は効きましたか?

ハイ、楽に動けるようになりました。


心筋シンチの検査結果の写真を見ながら、その画像がパーキンソン病である事を示しているという説明を受けた。


ほぼ間違いなくパーキンソン病でしょう。

でも今はお薬もあるし、

薬が効いてるのが5年、

進行期が5年、

それからなんだかんだで5年、それでだいたい平均寿命でしょう。


先生はサラリとそう言った。


あと15年って、それ余命って事?

私は56才だった。

15年って、71才?

それは高齢者相手の仕事をしている私には、とても平均寿命とは思えなかった。


口から出た言葉は、


先生、私にはまだ両親がいるんです。

私が面倒見なきゃならないんです。


その言葉に先生は何も言わなかった。

いや、何か言ったかもしれないけど、

聞こえなかった。